awhile chai&soda
大きな公園の近くにある古い建物の2階に7坪ほどの小さなカフェを作りました。
お店の看板メニューである厳選した茶葉とミルク、スパイスを丁寧に煮出して淹れられるチャイのように、空間に使う素材も石や木や漆喰の自然素材を吟味し、シンプルでありながら手触りの残るものを使用しました。
壁には大理石の粉末に鉱物由来の顔料を混ぜた西洋漆喰を塗り、床はインドで使われていた家屋の柱や梁の解体材から切り出した古材のフローリングを張っています。
家具類もインドの職人により古材を用いて新たに作り出されました。チークやジャックウッド、紫檀など今では貴重な木をたっぷりと厚みを持って使っています。
壁の一部にはインドの砂漠地域で産出するミルクティー色の堆積岩を切り出した平板を、カウンターの腰には一本一本石工が削り出した大理石のR付きの棒材を張りました。ベンチの前に置いたラウンドテーブルは砂岩をろくろの技法で削り出したもので、空間にアクセントを与えています。
物販の商品を並べる棚は、1920年前後にアールデコのデザインを取り入れて作られたアンティークドアをリメイクして製作しました。存在感のある意匠をしっかり残しつつ、お店の新たな顔として再生できたのではないかと思います。
このお店は空間設計だけではなく運営も自分たちで行なっています。
メニュー構成や器、グラフィック、パッケージなど多岐に渡りそれぞれの分野のプロフェッショナルの方々と考え試作し、形作る過程を学ぶことができました。
LOCATION : setagaya TOKYO
YEAR : 2023
Area : 25㎡
Furniture/material:Rungta
Art Direction/package design : MOTOMOTO Inc.
器 : 調麓窯 Kanako Kamishima
Photo : Nozomi Nishi